「大丈夫ですか?」と聞く勇気が世の中には必要だとヒシヒシと感じました

昨日の話ですが、朝の通勤電車で具合の悪そうな女性を見掛けました。正確には息づかいが浅い人がいるなと耳が拾ったので気になったというのが正しいのかもしれない。

なぜ気になったのかは未だに分かりませんが、普段ならやり過ごす程度の音が私の視線をその女性に運ばせました。

その女性は平然と立っているように見えましたが、一瞬目の焦点が合ってないような気がして、気のせいかもしれないと思いながらもちょっと勇気を振り絞って声を掛けました。何かがおかしい‥

「大丈夫ですか?」

驚いたのですが全く反応がなかったのです。知らない人に声を掛けられたので反応に困っているという訳では無さそうでした。何せ無反応なのですから、無視とも違います。

心配になり2回3回と呼掛けを繰り返しましたが、無反応でその姿はまるで人形の様でした。

呼び掛けながら目の前で手を振っても反応なし。回りの乗客もようやくその異様さに気付き始めたようでした。

しばらくして、女性が一瞬意識を取り戻し、

驚くべきことですが本当に事態が飲み込めない様な口振りで「私いまどうなっていましたか?」と少し震えるような声で応えました。

しかし、瞬間事態は急変、目を見開いたままフラッと崩れ落ちたのです。

「アカン!」

寸前でキャッチしましたが、先程とはうってかわりその女性は手が痙攣して、汗がどっと吹き出していました。

突然のできごとで頭が真っ白になりましたが、

次の駅まで一分程度でしたので、取り急ぎ席に座らせ、回りの乗客で介護することにしました。そして停車後、急ぎで駅員さんに駆けつけてもらい、無事に引き渡すことが出来ました。

‥‥

ながかったです‥そう、あれほど一分が永く感じたことはなかったですし、そして、最後に女性が駅員さんに言ったセリフも忘れることはできないものになりました。

「私だいじょうぶです、行かなきゃ‥」

そんな状態でどこに行こうというのだ‥

私はその言葉を聞くにあたり、背筋が凍ったような気がしたのでした。

‥‥

話は換わります。

駅員さんに引き渡した後その女性がどうなったかは分かりませんが、実はあの時一緒にいた乗客でお礼を言いたい人がいます。

倒れる寸前で受け止めた時に、私は抱えたまま席に座らせることしか出来なかったのですが、その横で非常に冷静な対処をしてくれた娘がいました。歳は20代ぐらいでしょうか‥

倒れた女性の手を握り、汗のかき具合をチエックし、「常備薬はお持ちですか?」と声を掛けたのでした。若い娘でしたがどの乗客よりも冷静だったと思います。

そして、その声に安心したのは誰でもない私でした。目の前で起こった突然のできごと、私一人ならパニックだったかもしれません。

あれが生駒駅直前だったから良かったものの、越えていれば快速急行は次の駅(鶴橋駅)まで15分は停まりません。緊急停車のボタンを押すような騒ぎになっていたでしょう。

短い時間でしたが冷静な人がそばにいるだけで心強かったです‥

誰かは知らないですが、思い返す度に感謝の気持ちが溢れてきます。ありがとうございました。

‥‥

そして、もう一つ感謝しなければいけないことがあります。

色々ありましたが、あの時私が声を掛けた心の原点には最近読んだある著書の影響がありました。

“広告業界という無法地帯へ_大丈夫か、みんな?”

前田将多さんの著書です。その中で心に残った言葉があります。詳しくは本を実際に手にとって読んでいただきたいのですが、

僕ら一人ひとりが「あいつ大丈夫か」と気付いてあげること、「気にすんなよ」と囁いてあげること、「ちょっと飲みに行こうや」と誘ってあげること、「ありがとう!助かりました」と礼を言うこと。そういう小さな言動で、殺されかけている人を救うことができるかもしれない。もしかしたら、目下のところこれしか方法はないのかもしれないのかもしれない。

不思議な話ですが、普段なら通り過ぎるあの場面、あの時あの女性の目の色を見た瞬間にこの著書の言葉が私を突き動かしたのです。

「大丈夫ですか?」

一時ではありますが、彼女を少しの間救ったのではないかと思います。

一言の力を信じようと思いました。

作成者: 仲 高宏

主に日曜大工(diy)やハンドメイドに関するお役立ち情報を発信しています。 電動工具の扱いや、木材の加工方法、便利な補助道具の紹介を記事にしています。 最近は「木彫り」や「切り絵」も始めました。 住まいは古の都、奈良県奈良市、子供二人の四人家族です。