自由という名の息苦しさについて

  • 2016/10/5

愛する子供たちへ

自分の言葉で物事を語ったりだとか伝えたりすることというのは非常に難しいし、怖いことであったりします。だって頭の中での伝えたいイメージって中々上手く言葉に出来ないでしょ。むしろ自分の口から出た言葉がイメージぴったりであることの方が稀であったりするのですから。

「それが言いたいわけじゃなかったんだけどな‥」という経験をしたことがあるかい?お父さんは何度も悔しい想いをしたよ。

そして更に怖いのは、その言葉は受け取る人によっても解釈がどんどん変わっていってしまうということです。何というか‥発信されたが最期、言葉というのは独り歩きしてしまうのです。

有名人、特に芸能人や政治家の方なんかは話した言葉の一部分だけを切り取られてマスコミによって騒動が起こされてしまう事もあったりします。

ひと昔前まで我々一般人はそういう世界とは遠い関係にありましたが、2000年代に入りSNSの普及によってかなり近い関係になってしまいました。

おそらく発信した本人(一般人)にしてみればちょっとした冗談のつもりだったのでしょうが瞬く間にネットワーク上で拡散されて騒ぎになってしまうのです。

SNSが普及し出した当初は物珍しさも相まって色んな意見交換が行われましたが、“炎上”と呼ばれるネット上から現実世界にまで拡がる烈火のごとき騒ぎが社会現象として認知され始めると、次第に人は自ら口を閉ざすようになってきました。

いや、どんどん発信はするのですが当たり障りのない情報だったり、誰かが発信した情報で自分が気に入った情報だけを拡散させたりだとかが兎に角増えてきたのです。自分の言葉というものが少なくなってしまった。

そして先程の炎上現象の根底にある話ですが、自分が赦しがたい対象を攻撃する為に特定の情報を集中的に拡散したりする様にもなってしまったのです。

万年筆

特に赦しがたいモノとしてレッテルを貼られてしまったが最期、過剰とも言えるネット上の拡散反応は誰にも止めることは出来ませんでした。それは一つの正しさを含んでいたからです。昔から日本では「人様に迷惑を掛けないように生きなさい」という道徳観ともいうべく教育が草の根のように育まれていましたが、SNS上のバーチャルな人の目がその道徳観にくい込むように結び付いてしまったのです。

それは意図せずネット上でお互いを監視しあっている様な状況を自ら作り出してしまいました。

自由に好きなことを発信して良いはずのSNSを前にして本当に好きなことは中々言うことが出来ない世界になってしまったと言えるかもしれません。

ネット社会の発達は我々に意見を容易に発信できるツールを与えましたが、それは同時に容易に自分自身に批難が振りかかる可能性を持つという皮肉な条件と引き換えでした。

なかなか難しい話だとは思うんですけれども、自由であるということは責任を負う事と表裏一体であり、結果的に人を束縛してしまうことがあります。

しかし、子供たちよ、少し頭の片隅に置いておいて欲しい。

目に見えない束縛や規制というものにも実はルールや規則性というものが必ずあって、よくよく観察すると抜け道の様なモノが見えてくる、本当だよ。

それが具体的に何なのかはここでは教えないけれども、そういうのが見えてくると息苦しさというモノが一瞬だけ和らぎ、ほんの少しだけれども自由というものがようやく感じられるようになるとお父さんは思うんだ。

君達はまだ3歳と1歳だから、この話が分かる様になる迄にはかなりの時間を要すると思う。しかし運が良ければ遠い将来この投稿を偶然目にする事があるかもしれない。そうなれば奇跡だね。

そこで頼みがあるんだが、お父さんは自分で言った事や書いた事をすぐに忘れてしまうから、偶然にも発見することが出来たらひと言「見たよ」と報告して欲しい。

仲 高宏「na工房」の管理人

投稿者プロフィール

主に日曜大工(diy)やハンドメイドに関するお役立ち情報を発信しています。
電動工具の扱いや、木材の加工方法、便利な補助道具の紹介を記事にしています。
最近は「木彫り」や「切り絵」も始めました。

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