漏電について!絶縁劣化が進めば100Vでも危険!アースは重要ですよ!
- 2015/9/1

人体の電気的な抵抗値は約5kΩ、特に濡れた状態ですと2kΩ、濡れた状態で100Vに直に触れると50mA流れて死に至ります。
100V/2kΩ=50mA
知ってましたか?家庭内で使用される100Vでも時によっては死に至る事故になる可能性が潜んでいるということに。
今回は住まいに潜む電気の危険性についてとその対策についてです。na工房では基本diy精神のもと何でも自分でやるという姿勢ですが、やはりプロに任せた方が良い分野というのは確実に存在します。
電気はその中の代表格といっても良いかもしれません。目に見えないですし、一般的に電気の知識を持ってらっしゃる方もまだまだ少ない。何よりも電気工事士という専門の資格もあるぐらいですから、素人はコンセントより一次側には興味があっても踏み込んではいけませんよ。
しかし、踏み込まなくても、漏電というものが実は身近に潜んでいて危険だということは知っておいて損はないと思います。
冒頭にショッキングな事を書きましたが、実際100Vであっても直に触れると充分に危険だと分かっていただけたと思います。
しかし、それほど怖がる必要はありません。漏電が起こるまでには絶縁劣化の過程があり、アースを繋ぐことである程度危険は回避出来るからです。
そもそも市販で購入できる電気製品は電気回路と人間が実際に触れる事ができる外側に絶縁処理が施されています。かなりの年月が経って絶縁劣化がおきない限りは基本的には漏電しません。
一般的に言われているのが絶縁劣化が進行し絶縁抵抗値が0.1MΩ(100kΩ)を下回ると100V回路では危険とされています。
上の画像の様に絶縁抵抗値が100kΩとなると人体の抵抗値5kΩとの比率が20:1となります。すると人体に100Vの1/20の電圧(5V)が掛かることになります。(※本当は100Vの1/20+1なので約5Vなのですが便宜上分かりやすく端折っています)
すると5V/5kΩ=1mAの電流が人体に流れます。1mA以上人体に電流が流れるといわゆる感電と呼ばれる状態になりますのでこれ以上絶縁劣化が進むとどんどん感電の被害が大きくなってきます。5mAでかなりのショックを受け、10~20mAクラスになると筋肉が硬直して触った感電箇所から手が離れなくなります。
恐ろしいですね。この感電を防ぐ手立ては無いものでしょうか?あります。いわゆるアースと呼ばれるものがその対策になりえます。原理は以下の通りです。
上の画像はアースで感電を回避する原理を説明したものですが、例えば洗濯機や電子レンジなどアースがついているコンセントプラグをアースに繋いだとし、その時のアース抵抗が0.1kΩだったとします。
その時アースと人体は電気回路的に並列の関係になりますので、合成抵抗値は限りなく0.1kΩに近くなります。正確には0.098kΩぐらいでしょうか。
何にせよ。合成抵抗値が0.1kΩになることで、絶縁劣化の抵抗値100kΩと合成抵抗値0.1kΩの比率は1000:1になります。
この時100V回路なら1/1000の電圧(0.1V)の電圧が人体に掛かることになりますので、0.02mAまで人体に流れる電流を抑制することが出来ます。
0.1V/5kΩ=0.02mA
式で表すと上の計算になります。
家を見渡すと何気なくアースがコンセントに繋がっているものですが、絶縁劣化が起こって漏電が起きた際に人体を守ってくれる役目を果たしてくれているんですね。有難い話です。
今回は日曜大工(diy)から話題が逸れましたが、知っていて損はない電気の知識だと思います。安全に暮らすことが何よりも大切です。